| 本間研究室 −研究概要− [研究室HP] | |
| 1. | Si系アモルファス半導体薄膜に関する研究 |
| Si系アモルファス薄膜は,Si原子が無秩序に配列した非晶質であり,価電子制御ができる唯一の半導体薄膜材料である。このSi系アモルファス薄膜は,結晶Siや多結晶Siとは異なって,直接遷移型の光学的性質を有しており,可視光領域における光吸収係数が大きく,優れた光導電的特性を示す。さらに,これらの性質に加え,製造コストが安く,大面積化が容易であるなどの特長を有することから,現在,薄膜太陽電池をはじめとする各種の光電変換デバイスや薄膜トランジスタ等に広く応用されている。しかし,最近,これらデバイスの応用分野の多様化と高度化にともなって,その特性改善が求められており,母材となるSi系アモルファス薄膜そのものの高品質化が重要な課題になっている。本研究では,これらの要請に応えるため,水素化したSi系アモルファス薄膜(a-Si:H薄膜,a-SiC:H薄膜等)の高品質化法の開発を目指しており,新しい膜作製技術の検討と,微細なナノ構造に着目した膜物性の分析評価法の検討を行っている。 | |
![]() Si系アモルファス薄膜作製用プラズマCVD装置 a-Si:H膜構造解析用のスペクトル分析装置 | |
| 2. | 金属シリサイドの諸特性に関する研究 |
| 次世代の超LSIやナノスケールデバイスなどの開発のために,回路配線用として,数10nm以下の細線技術の開発が求められている。配線材料として金属を用いた場合,電流密度の増大にともなって金属元素が偏析し,回路間が短絡されるという問題を生じる。そのため,これに代わる細線材料として,金属シリサイドが大きく注目されている。金属シリサイドは金属とSiとの合金であり,200℃〜300℃程度の低温で形成されるとともに,800℃の高温まで安定であり,かつ電気的に低抵抗率であることから,配線材料として優れている。従来,金属シリサイドの研究としては,超LSIへの応用を視野に入れた結晶Siに関するものが大部分であった。これに対して,a-Si:H膜における金属シリサイドについての研究報告は少なく,その形成過程と諸特性の機構については不明な点が多く残されている。a-Si:H膜を用いたデバイスの高性能化と高集積化をはかるためには,結晶Siデバイスの場合と同様に,金属シリサイドを利用することが極めて有効であると考えられる。特に,a-Si:H膜の場合は構造柔軟性があり,かつ結晶Siに比較してダングリングボンドやボイドの密度が多く,シリサイドの形成過程は結晶Siの場合とは大きく異なることが予想される。 以上の観点から,本研究では、a-Si:H膜における金属シリサイドの形成過程とその諸特性の機構について追求している。金属元素としては,Co,Ni,Ti,Fe,Pd,Pt,その他,について検討している。シリサイドの形成過程は加熱温度と時間の関数であり,時間的に進行するシリサイド化反応過程をリアルタイムで測定することが重要である。本研究では,シリサイド化反応によってa-Si:H膜から放出される水素に着目した新しい分析法を考案し,これを用いてシリサイド化過程を検討している。この分析法は,シリサイド化反応過程についての情報がリアルタイムで得られることから,シリサイドの形成過程の研究に際して有力である。 | |
![]() 金属膜堆積用2極高周波スパッタリング装置 熱処理によるシリサイド化と相変化の一例 | |
| 3. | ポーラスSiに関する研究 |
| フッ化水素酸をエチルアルコールまたは水等で希釈した溶液中で,結晶SiやアモルファスSi薄膜を陽極化成することにより,大きさ数nm〜数μm程度の多数の微細孔を持った多孔質Si層(ポーラスSi層)が形成される。このポーラスSi層の孔の形状と物性は陽極化成条件に強く依存し,元の基板表面の約270倍程度の厖大な表面積をもつとともに,化学的に活性な性質を有している。そのため、このポーラスSi層は水素系ガスおよび有機系ガスに対する吸着機能が高く,その性質を利用することによって,高感度な高性能集積化ガスセンサーの開発が可能である。本研究では,陽極化成条件の最適化とポーラスSi層構造の制御によって,高感度ガスセンサーの開発を行うことを目的としている。陽極化成条件の最適化をはかるため,溶液のフッ化水素酸濃度と温度,化成電流,電圧,照射光強度,化成時間などのパラメータが,ポーラスSi層構造に及ぼす影響を系統的に調べている。さらに,基板としては,結晶SiおよびアモルファスSiの両者におけるポーラスSi層構造の作製条件と諸特性について検討している。アモルファスSiは,ポーラス性が高く,結晶Siの場合とは異なったポーラスSi層作製が期待できる。 | |
![]() (25%HF化成処理) (8mA/cm2化成処理) ポーラス・アモルファスSi層表面のSEM像の一例 | |
| 4. | Siの微粒子および粉体に関する研究 |
| 21世紀を切り拓く新しいクリーンエネルギー源として水素が国際的に注目されており,その中で,固体中への水素貯蔵技術の開発が課題となっている。現在,水素貯蔵合金として広く研究対象になっている固体物質の大半は、資源的に乏しい物質であり,応用に際して問題である。そこで,本研究では,Si微粒子や粉体が水素系ガスを吸着しやすい性質をもつことに着目し,水素貯蔵デバイスの開発を検討している。Siは地球資源として豊富であることから,Siを母材とした水素貯蔵材料の開発は,世界レベルでの燃料電池の利用に際して有力である。 | |
界面障壁による水素の閉じ込めモデル | |
| 5. | 高温超伝導体に関する研究 |
| スパッタリング法による高温超伝導体薄膜の作製には,as grown法とpost anneal.法の2種類の方法がある。as grown法は,膜作製過程での基板加熱によって超伝導膜を作製する方法であり,膜堆積後に熱処理を行うpost anneal.法に比べて低温度基板加熱で超伝導膜が作製できるという利点がある。しかし,前者の方法では,膜作製過程における連続した基板加熱によってターゲットがダメージを受け,堆積膜の組成が時間的に変化するという難点がある。そこで,本研究では,ターゲットのダメージが少ない後者のpost anneal.法を用いてBi系高温超伝導体薄膜の高品質化をはかることを目的としており,膜中酸素が膜構造に及ぼす影響と結晶核形成の熱処理条件依存性を検討している。 | |
![]() 核形成の電気的特性への反映 熱処理による核成長と相変化 | |
| 6. | 研究に使用するSi系アモルファス薄膜作製装置 |
| ★アモルファスSi膜作製用プラズマCVD装置 ★アモルファスSi系合金膜作成用プラズマCVD装置 ★薄膜作製用二極スパッタリング装置 ★真空蒸着装置 |
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| 7. | 研究に使用する主な分析・評価装置 |
| ☆水素放出スペクトル分析装置 ☆表面粗さ計 ☆可視・紫外分光光度計 ☆赤外分光光度計 ☆光導電率測定装置 ☆移動度・寿命測定装置 ☆走査型電子顕微鏡 ☆エネルギー分散型元素分析装置 ☆X線回析装置 ☆原子間力顕微鏡 ☆トンネル電子顕微鏡 ☆X線光電子分析装置 ☆二次イオン質量分析装置 ☆電子スピン共鳴装置 ☆ラマン散乱分光光度計 |